平安-江戸時代武士装束、東京国立博物館

平安時代から江戸時代までの、刀剣、刀装、甲冑、馬具、装束、肖像画、書状などを展示します。刀剣は、結城秀康の朱漆打刀など、刀装が付属するものは合わせて展示します。刀装は丹生都比売神社の兵庫鎖太刀、伊達家伝来の黒漆合口などを展示します

日本刀(にほんとう)は、日本固有の鍛冶製法によって作られた刀類の総称である。「折れず、曲がらず、良く斬れる」の3要素を非常に高い次元で同時に実現させるため、日本刀の原材料となる鋼の製法、選定、刀剣の鍛錬には、古来より多くの刀工が工夫している。今日においては、古くから伝わる卸鉄(おろしがね。鉄材を再還元して刀剣用に供する鋼を造ること)や自家製鉄した鋼を用いる刀工もおり、日本固有の伝統技術として継承されている。

甲冑(かっちゅう)とは、胴部を守る鎧(甲、よろい)と、頭部を守る兜(冑、かぶと)からなる武具。主として刀剣や弓矢を用いた戦闘の際に侍・武士が身につける日本の伝統的な防具である。

平安時代における武士の出現とともに大鎧という独自の甲冑がみられるようになる。

平安時代は中国(唐)との交通が絶え、日本的な趣味が発揮されて、甲冑にも一大変化がもたらされた。それまでの騎射戦がほぼ完成されたため、大鎧の出現を見た。挂甲は儀礼的なものとして残り、綿襖甲はまったく廃れた。

黒韋肩妻取威胴丸
右脇引合わせの胴に筋兜と袖を配した胴丸。黒韋を地の威とし,胴の立拳,兜のシコロや袖の上段を白糸で肩取威,シコロの後と胴の前後は紅糸で裾広がりとした沢瀉威,袖や草摺の端は紅糸で三角形に妻取威とした珍しい配色である。金物は鍍金枝菊文透,染韋に藻獅子韋を用いた室町時代らしい胴丸である。

東京国立博物館

東京国立博物館は、わが国の総合的な博物館として日本を中心に広く東洋諸地域にわたる文化財を収集・保管して公衆の観覧に供するとともに、これに関連する調査研究および教育普及事業等を行うことにより、貴重な国民的財産である文化財の保存および活用を図ることを目的としています。

平成19年4月1日からは、東京国立博物館の所属する独立行政法人国立博物館と独立行政法人文化財研究所が統合され「独立行政法人国立文化財機構」が発足しました。新法人のもと貴重な国民的財産である文化財の保存及び活用を、より一層効率的かつ効果的に推進していきます。